兵庫 但馬 城崎温泉「三木屋」①

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兵庫県の日本海側、但馬の国、城崎温泉は
「国登録有形文化財の宿 三木屋」に宿泊す。

創業300年。歴史ある宿。

三木屋の屋号、「三木」は戦国時代、豊臣秀吉に兵糧攻めにあった、
三木城から取っている。三木城城主・別所長治は城の兵士たちの命と
引き換えに自害。辞世の句、
「今はただ うらみもあらじ 諸人の いのちにかわる 我が身とおもへば」
はなんとも率直な詩。こう思うことで自分を納得させたんだろうなぁ。

それはさておき。三木城から落ち延びた兵の子孫が、
城崎にやってきて、三木城と城主を偲んで始めたのが三木屋、とのこと。

が、このエピソードはそれほど有名ではない。
三木屋を一躍有名にしたのは、志賀直哉の「城崎にて」だろう。
「小説の神様」と呼ばれた志賀直哉の「城崎にて」は三木屋で生まれた。
「城崎にて」では、山手線で電車に跳ねられた主人公(=志賀直哉)が
療養のため城崎温泉にやってくるところから始まる。

が、ここで疑問が。東京の山手線で跳ねられたのに、
なんでわざわざ関西のしかも日本海側の辺鄙な温泉街、城崎に?
箱根あたりでいいのに。ここまで来るの相当大変だったでしょう?
と思わずにいられない。

城崎に来て、主人公は、蜂、ネズミ、イモリといった生き物たちの生死を見る。
その描写力、死生観、さらに研ぎ澄まされた名文、
といったあたりが評価されている。
短編で10分もあれば読み終わってしまうので、
城崎温泉に行く際には、一読しておくと気分も盛り上がるので、
ぜひオススメしたい。

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志賀直哉のほかにも、白樺派の文人も多く宿泊しており、
柳田國男、さらに画家の山下清など、文化人に愛され、
まさに城崎温泉を代表する旅館。

さて、現代。2013年に大幅リニューアルを施し、
古き木造建築の味わいはそのままに、ロビーやお風呂など、
要所要所が美しく生まれ変わっている。

これでだいぶ快適になった。

とはいえ、すごいきれいな宿が好き、って人には向いてないかも。
当然建物の経年劣化はあるので、その鄙びた感が好きな人こそ向いている。

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リニューアルしてきれいな玄関。スリッパもきれいに並んでいる。

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受付はロビーにて。お茶と豊岡名物「だんじり太鼓」と。

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全体的に茶室をイメージさせる内観。詫び寂び感が落ち着く。

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受付が終わると、さっそく浴衣選び。
これがなかなか種類が豊富。
これを来て、温泉街を練り歩くと俄然、旅行気分が増す。

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リニューアルしているところとしてないところがある。
こちらはしてないほう。なんか湯治場的雰囲気。
それもまた?おかし。

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ブロック塀なんかもあってモダンな雰囲気。
リニューアルしたところと昔のままのところが目まぐるしく変わる。

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でも全体的には茶室的世界観で統一されている。

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二階へ上がるとこれまた雰囲気よし。

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江戸時代、明治、大正、昭和、この廊下はいつごろの廊下かな?

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道路側も温泉郷風情があって全然風景がいい。

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ついに3階。木造建築の3階建ては珍しい。
これが国の有形文化財になって理由かもしれない。

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床も磨きこまれて美しい。

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三階は宴会場。ここで宴会したら風情があってよさそう。
和風の結婚式も似合う。


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