徳島 祖谷 アレックス・カーの宿 「晴耕」

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祖谷をさらに奥地へと進む。
いよいよこの旅のメイン旅館へ。

日本の美しい風景に心を奪われ、
いまも日本各地で保全活動をしている
アレックス・カーが一番最初に手掛けたのが
この祖谷の宿泊施設群。

HPがかっこいいんだけど、なかなか宿案内に
たどり着かないので、意外と知らない人が多いんじゃないでしょうか。

ち庵(「ち」の漢字が出ません)、晴耕、雨読、浮生、と
4棟あり、また2014年には2棟増えるみたいですが、
その中で今回は「晴耕」に泊まりました。
2012年に出来たばかりでとても新しいのですが、
趣きがあります。

それにしても景色がすごい。
切り立った山の中腹に宿があるのだが、
そこから見える景色は反対側の里山。

幽玄って言葉よく似合う風景。

宿自体は藁ぶき屋根の古民家風だが、
中は最先端設備と見事に融合している。
囲炉裏があるのに、クッションソファがあったり、
純和風なのに、お風呂やアメニティはホテルのように
西洋化が進み、キッチンは和の器が多いのに、
エスプレッソメーカーなどが置いてある。
エアコンなど無粋に見えるものはすべて隠してあるのも
とてもきれいでおしゃれです。

キッチン6畳、ダイニング6畳、リビング15畳ぐらいで
かなり広いです。

というのも旅館というよりは、一棟貸しスタイル。
夕飯は頼まなければ出ません。
逆に2人で20000円ぐらいなので、自炊しながら
この里山に暮らすように泊まる、というのが正しいスタイル。
この新しい提案がまずいいですね。

とはいえ、やはり郷土のものが食べたかったので、
夕飯はケータリングサービスを利用しました。
一人3000円で地元のお母さんたちが作ってくれた、
おしゃれで、いかにも地のもの、といった料理が並ぶ。
新鮮でおいしかった。

この地元に仕事を作っているのがまたいいですね。
ちなみに自炊する場合、当然近くにスーパーなどないので、
山奥に入る前に準備しておきましょう。

朝ごはんは地元の道の駅で買ったパン、ジャム、
そしてお野菜でサラダを作り大満足。
道の駅で買ったものがすぐ食べられるっていいですね。

里山を見ながら一日中ぼーっと過ごすのもとても贅沢ですが、
一番の体験は囲炉裏でした。
最初だけ管理人が来ますがあとは特に誰も来ないので、
いろいろと自分で試しながら家の設備をいじるのですが、
家の真ん中で火を入れる囲炉裏はちょっとおもしろい。
煙がもくもくと家の真ん中から立ち昇り、藁ぶき屋根に消えていく。
きっちり炭が燃えるとほとんど煙って出ない、というのも初めて知りました。
遠赤外線が直に出てるのか、めちゃくちゃ気持ちいいあったかさ。
キャンプファイヤーを家の真ん中でやってるようなもんですもんね。

システムの斬新さ、普段の生活にはない非日常の体験、
そして個人的には忘れられない一つの事件もあり、
その事件の自戒も含めて一生心に残る宿です。

満足度★★★★★

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うーん幽玄な世界へ入っていきます。
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祖谷の当たり前の景色。

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里山の中腹にある「晴耕」に泊まりました。ほかに、里山の頂上付近に
「浮生」、また、築300年の古民家を改築した「ち庵」などあります。

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宿からの景色。反対側の里山が見えます。なんでもない景色と取るか、
それとも希有な景色と取るか、人それぞれかも知れませんが、個人的
には圧巻の景観でした。

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谷を挟んで向い側。人が住んでるのがすごいなあ。

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広々とした室内。隣も気にせずゆったりできます。

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室内から天井を見上げる。日本昔話の世界にトリップ。

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と思いきや、現代人にもやさしい設備。IHヒーターなど最新式です。
オーブンレンジなどはちゃんと木の中に隠して雰囲気を損なわないよう
にしています。

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お風呂や洗面台も現代風。アメニティもこだわりを感じる。和と洋、
現代と古きよさの融合がいい。お洗濯もできます。

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使いやすく、古民家のダイナミズムも感じられます。

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ダイニング。テレビはないかなーっと思っていましたがありました。

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夕食はもちろん自炊もできるんだけど、やっぱりケータリングをお願いし
ました。ほんとに近所のお宅におじゃましたような、素朴な料理でしたが、
器が洒落てたり、旅館にありがちなちょっと過度な演出もなくいい。


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