愛知 蒲郡 「蒲郡クラシックホテル」⑦

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夕食を食べた後は館内を散歩です。
蒲郡クラシックホテルの最大の美しさは夜です。
写真ではやや明るいですが、実際には照明はぐっと抑え気味で
まるで映画の中のようです。

さらにさらに。蒲郡クラシックホテルの歴史を紐解くと、
料理旅館の常盤館の洋風別館としてスタート。
その常盤館には、菊池寛、川端康成、志賀直哉、三島由紀夫
といった錚々たる文人たちが宿泊していました。

そしてなんとなんと。川端康成が「伊豆の踊子」を湯本館で
執筆したように、志賀直哉が「城の崎にて」を
三木屋で執筆したように、三島由紀夫が「獣の戯れ」を
「宝来屋」で執筆したようにと文豪って旅館で執筆しますよね。
この流れを作ったのがなにを隠そう、この常盤館です。

常盤館のオーナーが、作家をタダで泊まらせる代わりに
旅館や旅館のある観光地を作中に登場させてもらう、という
ことを考え出したとのこと。いまでいう、タイアップ、
バーターですね。ここが発祥だったとはなー。

ちなみに、常盤館、竹島と所縁のある文人と作品は、

菊池寛「火華」

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志賀直哉「書簡」

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三島由紀夫「宴の後」

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池波正太郎「よい匂いのする一夜」

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井上靖「ある落日」

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谷崎潤一郎「細雪」

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川端康成「驢馬に乗る妻」「旅への誘い」


などなど。枚挙に暇がない。

そんな文豪たちの文学世界を感じながら
夜の蒲郡クラシックホテルの館内を徘徊するのが楽しい。

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ここに三島由紀夫も座ったのかなー。と思いながら
ずっしりと腰を下ろしてみたり。

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菊池寛もこの吹き抜けを見上げながら、帽子を取り、
旅塵を落としたのかなー。

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天井の細工がきれい。現代の建築ではあんまり見ない意匠が
あちこち散見できます。

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池波正太郎も部屋での執筆に行き詰って
この吹き抜けで肘を付きながら紫煙をくゆらせたり?

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川端康成も。。ってしつこいですね。

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志賀直哉の直筆の葉書が飾られてました。
ほんとサラサラとした感じでメールの一文のような軽やかな文体。
伸びやかで書き慣れてる感出てます。


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