夕食を食べた後は館内を散歩です。
蒲郡クラシックホテルの最大の美しさは夜です。
写真ではやや明るいですが、実際には照明はぐっと抑え気味で
まるで映画の中のようです。
さらにさらに。蒲郡クラシックホテルの歴史を紐解くと、
料理旅館の常盤館の洋風別館としてスタート。
その常盤館には、菊池寛、川端康成、志賀直哉、三島由紀夫
といった錚々たる文人たちが宿泊していました。
そしてなんとなんと。川端康成が「伊豆の踊子」を湯本館で
執筆したように、志賀直哉が「城の崎にて」を
三木屋で執筆したように、三島由紀夫が「獣の戯れ」を
「宝来屋」で執筆したようにと文豪って旅館で執筆しますよね。
この流れを作ったのがなにを隠そう、この常盤館です。
常盤館のオーナーが、作家をタダで泊まらせる代わりに
旅館や旅館のある観光地を作中に登場させてもらう、という
ことを考え出したとのこと。いまでいう、タイアップ、
バーターですね。ここが発祥だったとはなー。
ちなみに、常盤館、竹島と所縁のある文人と作品は、
菊池寛「火華」
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志賀直哉「書簡」
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三島由紀夫「宴の後」
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池波正太郎「よい匂いのする一夜」
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井上靖「ある落日」
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谷崎潤一郎「細雪」
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川端康成「驢馬に乗る妻」「旅への誘い」
などなど。枚挙に暇がない。
そんな文豪たちの文学世界を感じながら
夜の蒲郡クラシックホテルの館内を徘徊するのが楽しい。
ここに三島由紀夫も座ったのかなー。と思いながら
ずっしりと腰を下ろしてみたり。
菊池寛もこの吹き抜けを見上げながら、帽子を取り、
旅塵を落としたのかなー。
天井の細工がきれい。現代の建築ではあんまり見ない意匠が
あちこち散見できます。
池波正太郎も部屋での執筆に行き詰って
この吹き抜けで肘を付きながら紫煙をくゆらせたり?
川端康成も。。ってしつこいですね。
志賀直哉の直筆の葉書が飾られてました。
ほんとサラサラとした感じでメールの一文のような軽やかな文体。
伸びやかで書き慣れてる感出てます。